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2024年9月7日令和6年度救急医療功労者知事表彰を授与されました。

こんにちは。秋になってもやっぱり猛暑なんですね。庭のポーチュラカがやる気を失って花を咲かせてくれません。剪定しなくちゃ。この炎天下で?

先日、令和6年度救急医療功労者知事表彰を授与されました。わざわざ新着情報でご報告する理由の半分は自己顕示欲や虚栄心、そして半分は「今まで地味~にやってきたことを認めてもらった」嬉しさです。

表彰式なんて中学校の卒業以来です。高校は2000人超のマンモス校で手渡しなんてあり得ないし、医学部の雰囲気になじめなかった大学はそもそも式に出たんだかどうだかさえ覚えていません。午前の診療が終わってすぐに車で県庁に向かいました。医師・看護師・救命救急士など医療者が13人。簡単なリハーサルの後、テレビでしか拝見したことのない大井川知事から手渡しの表彰式です。「以下同文」のあっさりしたものでしたがちょっと照れました。晴れた県庁の展望台は見晴らしも良く、せっかくだからのんびりしたいなあと思いつつ午後の診療のためにトンボ帰りしました。

筑波大学にぎりぎりの成績で入学してぎりぎりの成績で何とか卒業して、筑波大学病院の小児科に入局しました。研修医としては当時普通だったブラックな労働に励み、6年の研修を終えた翌年には筑波メディカルセンター病院小児科診療科長に任命されました。1次から3次までの救急を全部受けなければならないのに、当時はたった2人の小児科医しか居らず、1日おきのオンコールでは大体20時と23時と3時頃に呼び出しを受けて、重い疾患が来ると泊まりっぱなしでした。それがひっきりなし。日曜祝日も朝から晩まで一人で救急外来診療を行わなければなりません。重症患者搬送のために救急車にもヘリにも何度も乗りました。申し送りで帰りに乗り損ねて寒空を白衣一枚でとぼとぼ電車で帰ったことも少なくありません。そんな生活が17年、その時痛切に感じたのが救急外来患者の多さです。新型インフルエンザ流行期には最高240人の受診で外来は溢れかえりました。その殆どが軽症でしたが、保護者の不安は強く、お仕事や経済的な事情のある方も少なくなかったので「来ないで」とは言えません。ただ、この状態では重症者に適切な診療ができず医療崩壊してしまいます。救急外来の緩和と不安な方の受け皿を作るために2011年に開業しました。救急外来の手助けに隔週で日曜診療をして、少しだけ遅い時間まで診療し、救急病院の当直にも参加しました。

それから更に13年、筑波メディカルセンター病院の小児科医は8人に増えて大学の当直支援もあります。小児科開業医も増えて日曜診療をしてくれる仲間も出来ました。一方、私は年を取って色々な病気に罹り、夜も以前の様に遅くまで診られなくなりました。そんな自分を不甲斐ないと思っていた時の表彰です。何か特別な活躍をしたわけではありません。偉い人にもなれませんでした。ただ、「今」に繋げるために地味に頑張ってきただけ。選ばれた理由は分かりません。適任者は他にもっといます。もしかしたら「あいうえお順」だったのかも。でも、誰かが「あいつ結構頑張ってきたじゃん」と思ってくれての表彰であれば、今までの自分が報われた気になります。続けて来られたのは家を空けがちな私を常に励ましてくれたおかみさん、そして仲間たちのおかげです。私はその代表で表彰を受けただけに過ぎず、感謝してもしきれません。まだ、もう少しだけ頑張れそうな気がしました。これからも宜しくお願い致します。

 

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