クリニック通信
2016年1月3日ウサの後輩
明けましておめでとうございます。
穏やかなお正月ですね。暖かな日差しは寒がりな私も庭のビオラ達も癒してくれます。
昨年の1月20日に当院の広報部長であるウサが月に帰りました。それから1年、こっそり後輩が我が家に来ました。
寿命の短い生き物との同居には必ず別れが待っています。濃密な時間を過ごせば過ごすほど、その別れは種を問わずにとても辛いものになります。それが生き物を飼うことの本当に難しさです。ウサのいなくなった客間の和室は齧られた畳の穴がぽっかり残り、私の心にも同じ穴が残っていました。確実にやって来る別れの辛さを考えると新たな同居は非常に迷いましたが、私にはそれ以外に心の穴を塞ぐすべはありませんでした。
名前は「健兎」、健康に育って欲しい願いと、私の名前の1字と、ついでにおかみさんお気に入りのイケメン若手俳優「山崎賢人」が由来です。今は生後5か月、ウサギにとって人間の15歳くらいになります。思春期の真っただ中です。反抗期です。ぐれまくっています。夜の校舎の窓ガラスを壊し、盗んだバイクで走り出すお年頃です。縄張り意識の高くなった健兎はサークルに入ると足だの指だのを噛んできます。それ以外の懐き具合からすると遊んでいるつもりなのかもしれませんが、手加減を知りません。年末に受診された方の中には、私の指先があちこち傷だらけになっていることに気づいた方もいらっしゃるかと思います。「転んだの?それともおやじ狩りにあったの?もしかして、夫婦間の危機??」と心配してくださった方も居るかもしれません。全て健兎につけられたものです。ウサギの本を読み漁ると自分より下位とみなすと噛むこともあるのだとか、、そう言えばおかみさんはあまり噛まれません。噛まれる度に父の威厳をもって宥めたり叱ったりするも「親父っ!うぜえっ!」と止めてくれません。本では1歳を過ぎて大人になり、自分の甘さと世間の厳しさを知ると少し落ち着いて来るとか。「あと半年かあ、、」と思いつつ、でも健兎にかまうのが止められません。そんな私たちを月の上からウサが「相変わらずしょうがない人ねえ」と呆れて見ているかもしれませんね。
可愛い顔をしながら実は猛獣の健兎。