クリニック通信
2017年4月11日小児科クリニックの看護師さんのお仕事
こんにちは。 すっかり春。今年は桜も入学式まで咲いていてくれましたね。生憎雨が降りがちですが、お花見は出来ましたか?
当院の看護師さんは普段はどんなお仕事をしているのでしょうか?当院の1日のお仕事を簡単にご紹介します。
朝は8時30分に診察室で朝礼が始まります。その日の簡単な申し送りを行いますが、院長が口下手なのですぐに終わります。その後、院内のお掃除、診察物品準備、予約患者さんのチェック、検査機器の起動・点検などを行います。曜日によっては朝に行う予防接種の準備も行います。遅番の看護師さんは9時30分から仕事を始めます(遅番はちょっと寝坊が出来ます)。
9時前から愚図愚図している院長を促して診療が始まります。仕事は大きく3つに分担されます。
①【問診係】:予約時問診システムにより、ある程度の内容は把握できていますが、更に追加して聞く必要がある場合や、アレルギー相談などちょっと複雑な症状の場合には直接問診を行い、電子カルテに入力します。発疹症など伝染性疾患の疑われる方がいらした場合は、特別診察室にご案内するべきか、受付から相談を受けることもあります。
②【検査・処置係】:咽頭・鼻汁を綿棒で採取した迅速検査、指尖の微量採血や腕の静脈採血による血液検査、赤ちゃんの鼻水吸引や喘息の吸入、浣腸などの処置、時には点滴を行うこともあります。処置のない時は検査キットなどの備品・ワクチンの在庫確認を行い、必要物品の発注も行います。
③【診療補助係】:医師に付き添い、患者さんの呼び出し、診察を嫌がるお子さんの固定、オーダーされた処置や検査・処方が医師の説明したものと合っているかの確認、お子さんが泣いて保護者が説明を聞きづらい時はお子さんを一時的に抱っこ、診察後の机・ドアノブなどの消毒、診察後の補足説明などを行います。
基本的には4人の看護師が常駐しているので、3人で上記の仕事を分担し、もう1人が補助要員として業務を補います。3人のみの時は手が足りない時にお互いにカバーします。12時30分頃には診療が終わりますが、予約外受診者が多い時や、複雑な症状・重症の方が受診された時は13時を過ぎることもあります。その場合は交替で休憩に入ります。また、発熱など、急な症状で心配された親御さんから電話相談が来ることもあります。院長は診察で手が離せないため、応対してアドバイスをしたり、緊急受診の必要性があると思われた場合は院長に相談します。
12時30分から1時間は昼食・休憩時間です。この時間帯に来る検査会社の検体回収、清掃会社のごみ収集には応対が必要です。
13時30分から午後診療の準備開始です。14時~15時30分は予防接種/健診なので、予約に応じたワクチンの準備や身体計測の準備をします。
14時から診療開始。処置係3人と診療補助係1人に分かれます。処置係は予約内容・問診票をもとに接種するワクチンの種類と接種部位の電子カルテ入力、母子手帳をもとに接種間隔の再確認(事務で確認していますが念のためもう一度)、シリンジへの薬液の詰め替え、母子手帳への記録、健診が来たら身体計測と問診も加わります。診療補助係は医師に付き添って患者さんの呼び出し、記載内容やワクチンの種類・有効期限・接種量のトリプルチェック、診察・ワクチン時のお子さんの固定などを行います。小さなお子さんでも思いもかけない強い力で暴れるので、がっちり抑えなければなりません。
15時30分から一般診療に移ります。内容は午前と同様ですが、早番の看護師さんは18時で帰ります。18時30分で診療時間が終了ですが、夕方から発熱するお子さんやお仕事が終わらないために予約外で受診される方が数人います。診療をしながら同時進行で使用していない診察室やトイレの掃除も始めます。忙しい時期は19時までかかることもあります。
土日も基本的な流れは同じです。奇数週の土曜日と偶数週の日曜が診療日で全員8時30分から14時30分までの6時間仕事で30分ずつ交代で休憩します。水曜・偶数土曜・奇数日曜は休診なので、微妙な週2.5休、残業時間は月平均5時間くらいです。尚、院長は診療が終っても2時間近い残務整理があり、休診日も院外のお仕事が多いため泣きながら残業をしています。
他にトイレも含めたお掃除、院内のおもちゃの管理や花壇の花の植え替え、クリスマスの飾りつけなど、看護師としての仕事以外にも色々やってもらうことになります。一日中バタバタした感じですが、有休やご家庭の事情などでお休みする時は、スタッフの数さえ足りていればほぼ希望通りに取ることも可能です。
当院が最も求める資質は協調性と共感力、そして穏やかさと明るい笑顔です。もちろん知識・経験も重要です。経験のない方にはこれからいっぱい学んで頂く必要があります。でも、それは後から身に着けていけるものです。少人数の職場ではチームワークが乱れると診療に大きく影響します。時に感情のぶつかり合いがあってもすぐに仲直りできる柔軟性と素直さ、お互いの気持ちを気遣い意図を組んで動く事の出来る機転と協調性が必要です。 そして、常に明るく笑顔で丁寧であること。不安を抱えたお母さんも病で辛いお子さんも、こちらのちょっとした表情や言動に敏感です。常にお子さんと保護者の気持ち、お仕事などのご家庭の事情まで考えて、共感し、落ち着いて穏やかに接することの出来る人柄、素敵な笑顔が出来る方がクリニックには欠かせません。
頑張れば、必ず子どもたちから笑顔と「ありがとう」を貰えるのがこの職場です。素直な「ありがとう」を聞くことの出来る職場は滅多にありません。院長は若干頼りないですが、こんなクリニックでも良かったら一緒に仕事をしませんか?