クリニック通信

2012年1月30日インフルエンザを心配される方へ

こんにちは。厳しい寒さと乾燥した状態が続いていますね。寒さと乾燥の大好きなインフルエンザが先週より本格的に流行ってきました。インフルエンザに罹った時の注意をお話しします。

インフルエンザは高熱が4~5日続きますが、合併症にさえ注意すれば安静にしているだけで自然に治る病気です。高熱そのものは危険ではありません。

【症状】

39度以上の高熱が出現し、熱の上がり際は悪寒や嘔気、頭痛、関節痛などを訴えとても辛そうに見えますが、熱が上がりきると少し楽になってきます。咳鼻水は最初は比較的軽く、むしろ熱が下がってからの方が強くなる傾向があります。下記の症状に最も注意してください。

すぐに救急病院を受診すべき症状(緊急性が高いので直接救急病院受診をお勧めします)

 *けいれん発作(目の焦点が合わず、全身を強く突っ張る)

 *呼吸困難(ぜーぜーして喉元が息を吸うたびに大きく凹む)

 *意識障害(異常行動や訳の分からないうわ言が2時間以上続く)

 *全身状態不良(唇が青くなって呼びかけても反応が鈍い。泣き方が異常に弱い)

 

もう一度受診を考慮すべき症状

 *5日以上発熱が続き、抗インフルエンザ薬を使用しても3日以内に解熱しない

 *咳が激しくて眠れない。

 *ふくらはぎを強く痛がり歩けない。

【検査】

後咽頭粘膜にいるウイルスを綿棒で拭って専用のキットにより検出します。発熱後24時間で約9割が陽性になりますが、発熱からの時間が短いと診断率が低下します。また、鼻の奥まで綿棒を入れる痛みが強いこともあり、1回の検査できちんと診断をすることが望ましく、そのためには発熱12時間以上経ってからの検査をお勧めします。

【治療】

安静と水分補給・対症療法が治療の基本で殆どの方が5日以内に解熱します。食欲は低下しますが数日なら心配ありません。1~2口で結構ですから消化の良いものを与えてください。

抗ウイルス薬としては飲み薬のタミフル、吸入薬のイナビル・リレンザなどがあります。ウイルスの増殖を抑える効果があり、発熱48時間以内に使用を開始すれば発熱の期間を12日短くすることが出来ます。

【感染力】

潜伏期間は13日で発熱前日から感染力があります。学童では解熱後2日、乳幼児では解熱後3日くらいまで感染力が持続します。また、解熱しても体力が消耗しているので、すぐの外出は控えましょう。

鼻水や痰などの飛沫物の中にウイルスがたくさんいます。飛び散った飛沫物を触った手で無意識に鼻や目をこするとうつります。患者さんにはマスクをして痰をまき散らさないようにし、介護した後はよく手を洗いましょう。空気中に漂い続けることはありませんが、湿度が低いと10時間以上ウイルスが生存するので加湿器などで高めに設定しましょう。

【3回かかるかも:ワクチンの重要性】

インフルエンザは2種類のA型、1種類のB型が流行りますので1シーズンに3回かかる方もいます。ワクチンを接種するとその3種類に免疫が付きます。完全に発症を阻止することは難しいですが、軽症化が期待されます。重い合併症は抗ウイルス薬を飲んでも間に合いません。毎年ワクチンを接種することをお勧めします。

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