クリニック通信
2020年5月5日オンライン飲み会
こんにちは。初夏の様な日が続きましたね。チューリップもムスカリも役目を果たし、田んぼの道端にはポピー達が赤い花を咲かせて「あたし、スリムっしょ？イケてっるっしょっ？」と口々に自慢してます。
新型コロナで何処にも行けない灰色がかったゴールデンウイーク。取った休みは3日間だけですが、それでも持て余します。持て余しついでに健兎を無理やり抱っこしたのですが、お腹を蹴って逃げて行きました。
そんな中、1通のメールが届きました。大学時代のサークル仲間からです。「こんなご時世ですが、オンライン飲み会しませんか？」最近よく聞く言葉です。外出自粛の中、インターネット互いに音声と映像を共有しあって飲むのですが、本当にそれで楽しめるのかな？でも、他にすることがありません。参加することにしました。幾つか問題があります。一つは同居している家族のことです。モニターの大きなPCはリビングにしかありません。コンピュータ相手に独り言を呟いたり一人笑いしながらお酒を飲んでいる姿は、傍目からはきっと不気味なことでしょう。でも、自分の部屋は現在リフォーム中で入れません。客間は健兎が占領しているので、「以ての外っ！」と噛んでくるでしょう。そうなるとトイレか浴室しかありませんが、背景が写し込まれるし、道路に面しているので、ご近所様的にも怪しまれるでしょう。もともと人と喋るのは苦手です。歪なオンラインで飲んでもそんなに長くは続かないだろうと思い、おかみさんに相談したところ、2時間だけ別居してくれることになりました。
次に接続方法の問題。私は昭和の人です。カメラで撮られると魂まで取られてしまうと言うのは真実でないと分かりましたが、インターネットは分かりません。フェイスブック？SNS？？繋いだ瞬間にプライバシーの全てが抜き取られて、知らない人から晒されて、クレジット口座のお金も引き出されてしまうかも知れません。オンライン用のソフトをダウンロードする時も、よく分からないまま「ハイ」のボタンを押し続けました。こんな感じでウイルスが紛れ込んで来るんだな～と、ぼっとした頭に不安がよぎります。
当日はお酒とおつまみをPC前に並べました。PCも古いし本当に繋がるんだかと、何となく落ち着きません。まだ、日も暮れない17時から始まりました。思ったよりも簡単に繋がり、画面には懐かしい顔が12人揃いました。20年ぶりの人も、遠い福岡の人もいます（単身赴任で何か月も帰って来られないそうです）。始まってしまうとオンラインと言う違和感はなくなりました。一緒に話し出すと会話が一時的に途切れますが、酔っぱらった頭には気になりません。エスカレートしてきました。もともとフォーク村と言う音楽系のサークルです。みんなで楽器を持ち出して歌うことになりました。ここにオンラインの弱点がありました。音声は大きな声の人を選んで流します。みんな一緒に歌うのでPCが悲鳴を上げました。音声はプチプチ途切れまくります。しかし、最早人の歌声なんか気にしていません。それぞれがそれぞれのペースとリズムで歌ったので、歌い終わると輪唱の様にずれて終わっていきます。それも気にせずに次の歌～次の歌～とやっていたら、ふと人の気配を感じました。始めてから既に5時間経っていたのです。3時間ちょっとで帰ってきたおかみさんは、その後1時間以上、調子っぱずれな歌を聞かされていたことになります。
意外と盛り上がったオンライン飲み会。このシステムでなかったら、会うことの叶わない人たちと楽しむことが出来ました。でも、家族も大事にしましょうね。
