クリニック通信

2020年8月21日休み明けの朝にだるい~、お腹痛い~ それって社会的時差と起立性調節障害?

こんにちは。遅い梅雨明けを補おうと猛暑が続きますね。夏に強いはずの日日草も「夏バテ~」とへこたれています。夏に弱いはずの健兎の食欲を心配していましたが、間延びしながらも好きなものはがっつり食べています。

お盆明けに取った夏休みも残すところ1日半を切りました。最初の2日間は幸せです。中盤を過ぎるとカウントダウンが始まり落ち着かなくなってきます。今は夏休みの「み」の字にしがみついて「やだ~やだ~」とごねているところです。新型コロナで旅行にも行けず、連日の猛暑に自転車でお散歩する気にもなれず、せっかく夏休みを取ってもすることがありません。いや、するべきことは山のようにあるのです。夏休みに入ったらやろうと後回しにしていたことばかり。それがいざ休みに入ると、「休みに入ったばかりだから、、」「今日はちょっとその気になれないから、、」「明日も休みだから、、」ずるずると先延ばしにしてしまいます。夏休みの宿題の様に。このクリニック通信も本当は夏休みに入り次第書く予定でした。

長い休みが明けてしばらくすると体の不調を訴えて受診される方が増えてきます。「だるい・ふらふら」「頭が痛い」「お腹が痛い」「吐き気がする」。学童期後半で午前中に症状が目立つ場合は、起立性調節障害と言って自律神経のアンバランスが影響している可能性があります。自律神経は交感神経と副交感神経に分かれて、その微妙なバランスで体調をコントロールします。脈や血圧、腸の動きなど、役割は様々。多くの方が多少なりとも経験し、思春期が近づくと症状が強くなります。特に午前中は最も自律神経のバランスが乱れやすい時間帯です。自律神経は睡眠不足・緊張や不安などにも影響されます。もともと日本人は世界で最も睡眠時間が短く、欧米より1時間以上短いと言われています。また、社会的時差と言って、休日の起床時間が2時間遅れると睡眠サイクルが乱れて平日に影響が出ます。梅雨や夏は寝苦しく、充分に寝たつもりでも睡眠は浅いものです。寝る前まで見ていたテレビやスマホなどの光や、ゲームの高揚感も睡眠の妨げになっています。睡眠不足は自律神経に最も支障を来します。心理的な影響も少なくありません。学校や仕事、私を含めて多くの人が正直行きたくないものです。緊張するとドキドキしたり、お腹がグルグルしますが、これも自律神経の影響です。学校では好きな時にトイレに行けません。便秘になる方もいます。

起立性調節障害はそれ自体危険な病気ではありません。ただ、残念ながらそれを根本的に治すお薬はありません。生活習慣の改善で軽くなる方もいます。もう一度睡眠時間を見直してみましょう。忙しいからと寝る時間を惜しんでいませんか?睡眠不足は酩酊効果に近く、日中の集中力低下を招いてしまいます。充分な時間寝ていると思い込んではいませんか?必要な睡眠時間は個人差もあります。深さも大事です。試しに就寝時間を15分早めてみましょう。寝てからスマホをいじっていませんか?睡眠に支障を来すスマホ・PC・ビデオゲームは寝る前の使用を控えましょう。休日は夜更かし朝寝坊をしたいものです。よ~く分かります。でも、社会的時差を減らすには、休日も起床時間を平日に合わせた方が良いでしょう。夜更かし早起きは逆効果。早寝早起きは「3両」の得です。良質な睡眠にはある程度の体の疲れも必要です。運動や「体を使う」遊びは休日こそ積極的に行いましょう。覚醒効果を伴うお風呂は寝る1時間以上前がお勧めです。病院が出来ることは他の病気が隠れていないか「念のため」チェックすることです。検査で分かる限界もあるし、痛い検査を小さなお子さんに強要するべきではありません。ただ、お子さん本人が望み、その結果で少しでも安心出来るのであれば考えてみても良いかも知れません。一番大事なことは周りが理解してあげることです。危険ではありませんが辛いことには変わりません。「本当は学校に行きたくないんでしょ」「そんなこと言ってないで学校に行っといで」ではお子さんを追い詰めてしまいます。共感してあげて「辛いねえ、どうすれば楽になれるかな」と一緒に考えてあげてくださいね。季節や時の変化で自然に良くなる方もいますよ。

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