クリニック通信

2023年2月23日口は災い

こんにちは。今日は暖かく穏やかな天気ですね。天気予報では来週から気温が上がるようです。へこたれかけていたビオラやノースポール、いよいよ君たちの出番だよ。水仙やクロッカスはツンツン芽を出して花を咲かせる準備に余念がありません。桜の芽も一回り大きくなっています。畑に並ぶビニールシートの列は、中で何が育っているのかびっくり箱のようです。春の兆しが見えてきました。

コロナの第8波はようやく落ち着いてきたようで、検査の陽性率が1割を切りました。この数日陽性者はいません。代わりに流行しているインフルエンザは検査陽性率が4割くらい。いつもはピーク時に6割程度に上昇します。これから3月にかけて増えるのか、ワクチンを例年以上に頑張ったのでこのまま終息してくのか。後者に期待をかけたいところです。花粉症は増えてきました。食物アレルギー生活管理指導表の更新依頼も多くなりました。まだまだ忙しい日々が続きそうです。(インフルエンザ・花粉症の対応はブログ 2021年2月「風邪?それとも花粉症?」、2019年1月「インフルエンザのおさらい」、2018年2月「遅ればせながらインフルエンザのお話」、2015年3月「スギ花粉症かな?」をご覧くださいね。)

 

何を隠そう昨日は私の結婚30年記念日でした。なんでも「パール婚」と言うものだそうです。おかみさんは「パールっ、パールっ!」と言って目を輝かせています。よりによってこの日は休診日で翌日は祝日の2連休。コロナも落ち着いています。「ドナドナドーナー、ドーナー、、」と子牛のように電車に揺られて銀座にある真珠の専門店に連れて行かれました。3年ぶりの東京です。相変わらずマスク率は100%でした。海外ではあまり見られなくなってきた光景です。

子牛のように重い足取りの私を背に、おかみさんは意気揚々と道を迷うこともなくお店に向かいます。既に予約まで取っていたようです。来店すると若いのにキャリアを積んだモデルのような女性店員さんが丁寧な物腰で迎え入れてくれ、落ち着いた雰囲気の2階に案内されました。向こうでは中国人の方相手に多分流暢な中国語で接客しています。何だか高級っぽい雰囲気。私は明らかに場違いです。落ち着かなくなりました。正直、私はおしゃれに全く興味がありません。朝はタンスの中の服を上から順に着ていくだけで、時計は文字盤さえあれば充分です。結婚指輪も取れなくなってしまいそうで、1か月もしないうちに手指消毒を理由に外しています。先日外来で、あるお母さんから「来ている服のピンクが似合いますね」と、生まれて初めて褒められました。スタッフに自慢すると「奥さんが選んだんですよねえ~」とにべもなく言われました。そのとおりです。言われるまでその日の服がピンクであったことさえ気づきませんでした。いつも自分で服を買っていると言う、学園の森キッズの黒澤先生からしたら、「何たること!」と怒られそうです。

おかみさんは色々迷いながら数点のネックレスを試着しています。突然店員さんから「ご主人はどう思われますか?」と聞かれました。全くあらぬことを考えていたので不意を突かれました。そして、私にはコミュニケーション能力がありません。咄嗟に言葉が出ず、「いや~、私、本当にこういうの分からなくて、、お祭りの夜店のものとも見分けがつかなくて、、」一瞬で空気が凍り付きました。専門店にとって失礼甚だしいことです。さすがにベテラン店員さん、眉一つ動かしませんでした。でも、きっと心の中では「こ~の田舎門があっ!」と叫んでいたことでしょう。おかみさんから「その言葉だけはNG!」と叱られました。何とかフォローをと「真珠って近くで採れるんですか?」とか「このきれいな色は後で染めるのではなくて天然のものなんですねえ」とか、追い打ちをかけるような言葉を続けてしまいました。

あんな失礼なことを言ったのに、店先までお見送りして下さった店員さんの接遇力に頭が下がります。でも、恥ずかしくてもう2度と行けない。その晩は何度もフラッシュバックしてはごめんなさいと叫んでいました。

こんな旦那さんを30年も見捨てないでいてくれてありがとよ。やはり不慣れな場所で不用意に言葉を発するものではありませんね。今度は寡黙で渋い旦那さんを演じます。

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