クリニック通信

2024年1月14日カンガルーにリベンジ

こんにちは。今日は穏やかに晴れた日ですね。でも朝は寒いこと寒いこと。ビオラが「さみ~、さみ~」と呟きながら地面にへばりついています。

遅ればせながら明けましておめでとうございます。昨年はコロナの後も他のウイルスが次から次へと大反乱を起こして1年中大騒ぎでした。よりによって年末にインフルエンザAが流行のピークを迎えアデノや溶連菌まで流行ったため、やむなく大晦日まで診療を続けました。外来はひっ迫しっぱなしで、余裕のない荒れた診療は患者さんにも私にも満足できず、ストレスだけが溜まっていきます。殆ど毎晩診療の夢でうなされるようになりました。これはまずい!病んだ心身にはリフレッシュが必要です。診療が終わってからお蕎麦とお雑煮だけは食べて、逃げるように癒しの旅に出ることにしました。

旅先はcairns。カインズホームではありません。そこではあんまり心が癒せません。ケアンズ、世界遺産が2つもあるオーストラリアの一大観光都市です。実は因縁の地でもあるのです。

かれこれ30年程前、大学病院時代に新婚旅行に行きました。当時の教授が言いました。「ヨーロッパに是非行きたまえ。でも三泊四日で仕事に復帰するように」。当時働き方改革のなかった医療現場は365日18時間労働でした。相当な無茶振りです。日付変更線を超えず時差の少ないオーストラリアを選びました。実際は気の毒に思った講師陣がこっそり7日の休みをくれましたが、帰国後におかみさんと2人でスーパーに行ったところばったり教授に出会ってばれました。所謂ハネムーンツアーです。大勢のカップルたちとまだ陽も明けないうちに空港に着いて、寝ぼけたまま動物園に連れて行かれました。コアラを抱っこして、カンガルーのエサやり。その時事件が起こりました。体長150cmくらいのカンガルーの集団に襲われて餌を奪われたのです。半グレ中坊グループの親父狩りに会ったようでした。今回はそのリベンジ。今度はこちらから襲ってやる。

ダウンを着て出国したのに着いたら暑いこと暑いこと。え?数時間で急激に地球沸騰化?世界危機?南半球は夏です。寝ぼけた頭は混乱し、早速夏バテて初日はホテルで寝っ転がって、ぼーっと海を眺めていました。視界の更に向こうには山、筑波山ではありません。右脇には大洗のフェリーより遥かに巨大な大型豪華客船。異世界です。何よりも、何もしなくても何も考えなくてもいいことが素晴らしい。着いた初日には出てきた診療の夢も翌日からは見なくなりました。

オーストラリアの人たちはとても優しくホスピタリティに溢れています。スーパーで買い物をしてもにこやかで袋詰めがとても丁寧。無表情に形が崩れようとぼんぼこ袋に投げ入れる何処かの国とは大違い。日本人スタッフも多く日本語でも話が通じます。英語が出来なくてウィーンの学会でPTSDを残した私にはとても快適でした(2017年10月ブログ「涙の国際学会」参照)。

翌日訪れたのは世界遺産である世界最古の熱帯雨林地帯キュランダ。長い長いロープウエイに乗って「アバター」のロケ地にもなった広大な森を抜け、着いた先の観光村に宿敵カンガルーが居ました。でも出会ったのは大人しくて小さなカンガルー。こちらも向こうも夏バテ気味で既に戦う気力は失せています。「お互い歳を取ってしまったんだねえ。あんたも色々大変だったんだろうなあ」。間違いなくあの時とは違うカンガルーでしたが、なんか意気投合してお尻をなでて和解しました

  

世界遺産のもう一つはグレートバリアリーフ。世界最大のサンゴ礁です。本当はスキューバダイビングが最適なのですが、喘息持ちの私はNGです。尚且つ船酔いして海に吐いたらピンポイントでそこからインストラクターが浮上してきたと言う忌まわしい過去もあります。無難なシュノーケリングに留めましたが、熱帯魚に指をかじられました。次のリベンジはこいつだ!日焼けしまくりました。外来で言い訳に悩みます。「先生、なんで顔が黒いの?」「うん、お正月中日焼けサロンに通ってたのさ」。無理があり過ぎ。今のところみんな見て見ぬふりをしてくれています。

キュランダは1億五千万年前から人の手がつかず世界遺産になりました。院長室は今年も人の手が入らず13年目になります。もう一億数千年くらい診療を続けたら世界遺産になれるのかな?今年も宜しくお願いしますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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