クリニック通信
2012年8月21日秋は喘息予防を強化しましょう
こんにちは。もうすぐ夏休みも終わりですね。宿題は終わりそうですか?私の場合、毎年8月31日は泣きながら7月の絵日記を描いていました。
9月も半ばを過ぎるとそれから2か月間は1年間で最も喘息発作が起こりやすくなります。入院も10月前後が最も多く、普段は殆ど発作のない人が重い発作を起こすことも少なくありません。理由としてはアレルギーの原因物質であるダニが最も増える時期であることや気圧気温の大きく変動する台風シーズンであること、それに加えてライノウイルスが流行することです。このウイルスは喘息のない人にとっては鼻かぜに過ぎませんが、喘息患者さんにとっては重い発作の引き金になりやすいウイルスです。特に大量のアレルゲンに曝されて気道の過敏性が高い状態で感染すると発作が重症化しやすいと言われています。天気の良い日に布団と枕を干して掃除機でよく吸うこと、うがいや手洗いをしっかりすることが重要です。そしてそれ以上に大切なことは予防薬をしっかり続けることです。この時期の入院は普段予防的治療をされていない患者さんの方が多い印象を受けます。軽い方でも少なくとも8月末からは予防治療を開始することをお勧めします。
最も効果的な治療はステロイド吸入療法。世界中が認める治療で赤ちゃんにも推奨され、補助具を用いれば小さいお子さんでも吸入可能です。また、ロイコトリエン拮抗薬も有効です。一方、気管支拡張薬のみを用いることはお勧めできません。必ず上記のいずれかの治療と併用しましょう。特に大きなお子さんは気管支拡張薬の吸入のみに頼る傾向があるので注意が必要です。
一方、冬は喘息発作が年間で最も落ち着く時期です。それまで発作が出ないように頑張りましょうね。