クリニック通信

2025年4月4日処方箋の落とし穴

こんにちは。4月早々あり得ない冬空も空けて、ようやく本格的な春がやってきそうですね。ビオラたちが「ついに俺様の時代が来たぜ!」とどんどん花を咲かせて、水仙やクロッカスも張り合っています。田んぼ道でもオオイヌノフグリやホトケノザ達が小さい可愛い花を次々と咲かせ、つくしんぼが「1年生になった~ら~」と集団登校するように生え揃ってきました。空にはそれまで何処で引き籠っていたのか、ひばりが「春来た~、春来た~、みんな目を覚ませ~」騒ぎ立てています。

      

さて、今回は処方箋のお話です。意外と知られていない処方のルールがありますよ。

①処方箋に有効期限があること

時々「薬局で処方箋を引き換え忘れてしまったので再発行して欲しい」「失くしてしまったので再発行して欲しい」と来られる方がいます。実は処方箋の有効期限は4日間と法律で定められています。再発行には保険診療が適応されないため自費扱いになってしまいます。貰い忘れにご注意くださいね。

②処方箋の消費期限

時々「以前貰った薬が余っていたので飲ませていました」と言う方がいます。食べ物に消費期限があるようにお薬もずっと使えるわけではありません。お子さんに処方する感冒薬(粉やシロップ)は幾つかのお薬が混ざっており、混合すると1か月持ちません。単独の薬剤ならしばらくは持ちますが、湿気ていたり変色してしまったものは使用しない方が安全です。慢性疾患の処方で製剤自体が密封包装されているものや坐剤は長期間の保存が可能です。

③その薬、本当にそれでいいの?

処方はその時の症状に合わせて出すものです以前貰った薬や兄弟の薬は今回の症状には当てはまらないばかりか逆効果になる可能性だってあります。少なくとも感冒薬は予防薬でも根治薬でもないので、急いで飲ませる必要はありません。「長く出してほしい」「本人を連れてきていないが処方だけほしい」と言う声も聞きます。お仕事の都合や出来るだけ学校や園を休ませたくないと言う気持ちは良くわかります。以前は1日3回、3~4日分だった処方もご家庭の事情に則して1日2回、7日分になりました。でも、それが2週間分になってしまうとどうでしょう。悪化したことに気づけないかもしれません。既に必要がなくなっているのに飲ませてしまうかもしれません。また、法律上本人を診察せずに治療をすることは本来禁じられています。定期処方だからと半年以上本人を診ないことは問題です。受診は単にお薬を貰うためではなく、その時点で特別な所見がないか見定めるためです。大変だと思いますが、昔の処方は処分して症状が変わった時はその度に診せてくださいね。

過去のブログも参考にしてみてください。

2014年9月 風邪薬はいつまで飲むの? | あおきこどもクリニック

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