クリニック通信
2013年2月23日B型肝炎ワクチンのお勧め
こんにちは。相変わらず寒いですが、少しずつ日が伸びて、日差しが増してきています。冬の終わりももう少しですね。
先日茨城小児科学会に参加し、筑波大学病院小児科時代のお師匠でもある須磨崎教授の講演を聞いてきました。テーマはB型肝炎ワクチンの重要性です。もともとB型肝炎ワクチンはロタウイルスや水痘、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などとともにWHOが推奨し、多くの国で定期接種が行われています。しかし、ワクチン行政の遅れている日本では任意接種として扱われ、公費負担がないためあまり接種されていません。B型肝炎ウイルスは急性・慢性肝炎を引き起こすウイルスで、慢性化すると一部が成人になって肝硬変や肝がんに移行することもあるため毎年3000人以上の方が命を落としています。血液などの体液が直接傷口に触れることで感染しますが、インフルエンザのように広範囲に伝染することはありません。問題は感染してもすぐには発症せず、発症しても症状が出にくいために気づかれないことです。知らないうちに保菌者となって他の人にうつす可能性もあります。
B型肝炎ワクチンは3回の接種で免疫が付きます。乳児期の方が免疫が付きやすく、集団生活に入る前に接種を済ませた方が望ましいのですが、全ての年齢で接種が可能です。お子さんに接種すべきワクチンの一つとして是非ご検討ください。