クリニック通信

2013年3月13日スギ花粉症が増えてきました

こんにちは。今日も風が強いですね。黄砂の影響か景色も黄色みがかってくすんでいます。

3月の初め、暖かくて強い風がふくようになったのとほぼ同時に花粉症を疑わせる症状の方が急に増えだしました。スギ花粉は関東では2月から4月にかけて飛散し、暖かくなると一気に増加します。今年は飛散量が昨年の数倍に及ぶため、昨年より症状を訴える方が多いようです。若年発症の方も徐々に増加し、外来では3歳くらいの方でも症状を訴えて来られる方がいます。2008年に厚労省が行った調査では0‐4歳1.1%、5‐9歳13.7%、10-19歳31.4%とのことです。

3月はライノウイルスなどの気道感染症も流行を始める時期であり、どちらも鼻汁・鼻閉・目やにを伴いますが、花粉症は「痒み」と「日中外出時に症状が強い」が特徴です。特に晴れた風の強い日に外で遊んでいると目や鼻を痒がって擦る傾向が強ければ花粉症の可能性が高くなります。また、目の周りを中心とした皮膚の痒みや発赤を伴う場合もあります。診断にはアレルギー検査も参考になりますが、検査値の高さと重症度は必ずしも一致しません。痒みを主体とした慢性的な症状経過が重要になります。

治療は抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服、点眼薬、点鼻薬が中心で、症状の強さ(辛さ)によって治療の程度が変わってきます。スギ花粉抗原を少しづつ投与して慣らしていく免疫療法は有効ですが、舌下免疫療法の行える成人と違って小児ではまだ定期的に注射する方法が中心であり、一部のアレルギー専門病院でしか行えません(当院では行っていません)。毎年辛い方には花粉の飛散する前の1月下旬頃から予防的に治療を開始すると軽症化が期待できます。尚、抗ヒスタミン薬を続ける場合は眠気を伴いにくい第2世代のものが適しています。また、黄緑色の汚い鼻汁が2週間以上続く場合は副鼻腔炎(=蓄膿症:鼻の奥の空洞に溜まった鼻水に細菌の持続感染が生じた状態)の合併を考え抗生剤を併用する時もあります。目のごろごろ感が強い場合は眼科の受診をお勧めします。

花粉の暴露を防ぐ日常管理が大事です。外出時のメガネやマスクは目や鼻の粘膜に花粉が付着する量を減らす効果があると言われています。外から帰ったら必ず手と顔を洗って花粉を落とし、花粉の付いた服を着替えること、症状の強い方にはこの時期だけは布団や洗濯物の屋外干しを避けることをお勧めします。ヒノキ・ダニなど他のアレルギーがなければ4月下旬には楽になってきます。それまでは頑張って予防しましょうね。

記事検索

カテゴリー一覧

年別一覧

ご予約方法はこちら

クリニック通信

リンク

診療日カレンダー