クリニック通信

2011年8月19日秋は喘息シーズンです。ご注意を。

こんにちは。暦の上では秋なのに猛暑が続きましたね。今日は大雨のために気温も下がり、少しほっとしています。

秋は喘息シーズンと呼ばれていて、1年で最も発作を起こしやすくなります。特に運動会のある9月中旬から10月いっぱいは重い発作を起こす人が少なくありません。私もリレー中に発作を起こして吸入した記憶があります。

この時期に発作を起こしやすい要因は大きく3つ。気候の変化、アレルギー、感染症です。昔から喘息発作は天気予報みたいと良く言われます。特に台風の来る前に発作を起こす人が多いように思われます。気温や気圧の変化に伴う気道の刺激なのでしょうか。喘息の主な誘発因子(抗原)である家ダニが1年で最も増えるのもこの時期です。しかし、毎年台風は来ても発作が出ない時もあるし、発作の時にそんなにホコリが多かったわけでもないし、、と思われる方もいらっしゃると思います。

一番の要因はライノウイルスによる感染症です。ライノウイルスは健康な人にとってはただの鼻風邪ウイルスなのですが、喘息患者にとっては大きな発作を起こしやすくします。喘息シーズンとこのライノウイルスの流行期はちょうど一致し、喘息発作で入院した患者からの検出率も高く、更に喘息患者の気道上皮細胞におけるライノウイルスに対する抗ウイルス活性が低いなど、疫学的にも臨床・基礎医学的にもその関連は証明されています。ただ、このウイルスも単独ではそれほど発作を重くしません。ダニなどの感作抗原への大量暴露にウイルス感染が加わった時に最も発作が重くなると言われています。

そうするとこの時期に大事なことは、ダニ・家埃(砂埃ではありません)を減らす工夫と感染予防です。夜間の抗原暴露が多いので、寝具は良く干して掃除機で両面を吸う事、寝る部屋をフローリングとして床から離れたベッドにする事、体調管理と手洗いを徹底する事などが挙げられます。そして、一番重要なのはこの時期にしっかり予防薬を続ける事です。入院する方の多くは普段軽いので何も予防的な治療を受けていない方です。一方、ステロイド吸入などの予防をしっかりしている方の入院は目立ちません。この時期は軽い子でもかかりつけの先生に相談して予防薬(発作止めではありません)を始めるようにしてみて下さい。 (青木健)

 

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