クリニック通信
2015年2月14日ばれんたいんでい
こんにちは。まだまだ北風の強い寒い日が続きますね。でも、田んぼ道を散歩していたら、春を知らせる小さな小さな青い花に気づきました。庭の水仙も芽吹いてきています。
今日はバレンタインデイ。まんまとお菓子会社の戦略に乗ってしまった日本中の男性(主に10代前後)がそわそわと落ち着きのない一日を過ごす日です。最近はバレンタインデイもお中元のようになってしまい、勤務医時代には病棟看護師一同から「日頃のお世話に感謝を込めて」のメッセージと共にもらうようになってしまいました。一緒に働いていた男性看護師は「これって毎月自分が払ってる病棟費で買ってるんだよなあ、、でもホワイトデイは自腹で買うんだよなあ、、」と複雑な顔をしてつぶやいていました。今も「○○一同」からもらった義理チョコを、何故かおかみさんが食べてしまっているのが現状です。
今でこそ義理チョコが全盛ですが、私が中学生の頃はバレンタインデイはあくまで「本命」か「憧れの先輩」にのみ渡されるものでした。私にとってお勉強も、スポーツも、生徒会活動でさえも全てこの日のためにやって来たようなものです。中学3年の2月14日、「今年は生徒会の委員長もやったし、運動会のリレーも1位を取った。女の子は委員長やスポーツマンに憧れるに違いない」と思い込んだ私は、期待に満ち溢れてその日を迎えました。下駄箱にチョコが入っていないか何度も確認し、休み時間は机に入れやすいようにわざと席を離れ、渡しやすいように廊下や屋上など出来るだけ人の少ない場所にいるようにしました。そして、、、何事もなくその日が過ぎました。私がもらったのは体操部のホープで、いっぱいチョコをもらった友人から分けてもらった小さなチョコ一粒でした。高校はまずチョコをもらえるはずのないマンモス男子校。でもイベントはあります。仲間でジャンケンをして負けた者が、女の子で溢れかえっているお菓子屋さんに仲間分のチョコを買いに行くのです。不審そうな、憐れみをも含んだ視線を浴びながら買ったチョコは、少ししょっぱい涙の味がしました。
あまりバレンタインデイに良い思い出のない私ですが、嬉しい時もあります。時々、外来でちっちゃな女の子から「せんせえ、これあげる~」とチョコをもらう時があります。「どうだ!今年は本命チョコもらったぞ!」とスタッフに見せびらかして自慢しています。