クリニック通信
2015年6月14日じじばばが来たっ!!
こんにちは。今年は5月から初夏の陽気だったせいか、本来7月から流行り始めるアデノウイルス(プール熱)が既に先月から流行り、例年になく伝染性紅斑(リンゴ病)も流行っています。アデノは5日前後続く高熱と扁桃腺腫脹・眼球結膜充血が特徴です。熱は高くて長いけど自然に治ります。但しうつりやすいから熱が下がっても最低2日は保育園には行かないようにしてください。リンゴ病は頬っぺたと腕・足に淡い、ややまだらな発赤が特徴です。発疹が出たときには既に治っているので、お薬を飲む必要もなく、感染することもないので普通に保育園に行っても大丈夫ですよ。
さて、実は私の両親がつくば市に引っ越してきました。昨年9月にやって来たので、既に半年以上過ごしたことになります。2人とも80歳を超えました。母は歳をとるに連れて色々と体に不調が出てくるようになり、私の前職である筑波メディカルセンター病院に何度か入院したこともありました。その頃から実家よりも比較的医療圏の充実したつくば市で暮らしたいなどと言っていたのですが、まさか40年以上住み慣れた実家を離れる気はないだろうと高を括っていました。ところが、昨年6月に自ら物件を探し出し、9月の転居表明をしたのです。ものすごい行動力です。更に実家は壊して土地は売却するとのこと。まさに背水の陣です。「高齢になってからの環境変化は厳しいよ。せめて実家は残そうよ」と言う、私たち子供らの意見には聞く耳を持ちません。心配になって転居する1週間前に実家に行ったのですが、とてもこれから引っ越すとは思えない有様でした。物持ちの良いのが年寄りの常。全ての物に思い入れがあるようです。全部持って行こうとしていましたが、小さいながらも一軒家の家具が更に小さな賃貸3LDKに入るはずがありません。姉と母で喧嘩しながら何とか2/3に減らしました。そして9月24日、両親はやって来ました。減らしたはずの荷物はトラック1台では入りきらず、トラックを急遽もう一台追加。たった二人の老人の引越しのはずなのに、引越し屋さんも相当焦ったことでしょう。案の定、3部屋のうち2部屋は荷物がうず高く積み上がり、LDと寝室も占拠していきます。聞けば絶対使わないような古いタオルや服まで詰め込んできたとのこと。さすがにティッシュくらいは引っ越してから買おうよ父さん。手伝いのために一緒に来た姉は翌日仕事があるので夕方に帰り(家具の配置でまた母と喧嘩してた)、私もメディカルの当直のためマンションを後にしました。この二人は今晩どこでどのようにして寝るんだろうと訝りながら、、。
それから半年、何だかんだ言ってもそれなりに整理されていくものです。未だに一部屋は「開かずの間」ですが、10畳しかないLDもそれなりに人がくつろげるようになりました。健脚な父は「つくばは歩道が広くて歩きやすい」と毎日1万歩以上歩いて私より遥かに健康です。足の悪い母は家で俳句の句集作りに精を出しています。若者の町であるつくば市ではなかなか近所付き合いがないため、ボケないか心配で時々顔を出していますが、ちょくちょく喧嘩はしているものののんびりやっているようです。2人とも残りの人生が長くないことを知っています。家を壊して売ったのは、自分達の亡き後に子供たちに手間をかけさせたくなかったのでしょう。昔から気遣いの人だから。そして、30年以上離れて暮らしていた息子ともう少し会う機会を増やしたかったのかな、、。
父と私は当然ながら背格好も顔も声も話し方もそっくりだそうです。マンションはクリニックのすぐ近くです。突然老け込んだ私がひょこひょこ歩いているの見かけた時は父かもしれませんよ。
今は無くなってしまった実家。こどもの頃の思い出がたくさんあったので、やっぱり少し寂しい、、